幹細胞研究、きっかけは再生医療
幹細胞の培養上清液は、米国や韓国では、線維芽細胞の増殖、メラニン抑制、美白、抗シワ、発毛育毛といったさまざまな作用を持つアンチエイジング原料として認知される。
ここ数年の幹細胞研究の進捗とともに、国内でも、美白、抗シワ、保湿、リフトアップ、アクネケアなどの有用性が美容分野向けに浸透してきた。
2021年の本紙化粧品受託調査(化粧品受託メーカー102社回答)では、“幹細胞コスメ”は上半期、下半期ともに人気受注ランキングで1位に。今年開催された『健康博覧会』や『CITE Japan』、『Diet&Beuty FAIR』などの展示会でも、“幹細胞コスメ”を展示する出展者はいずれも盛況で、コロナ禍でも活発な製品開発が進んでいる。
幹細胞が着目されるようになった背景として、再生医療における幹細胞研究の進捗がある。再生医療では…
“ヒト幹細胞コスメ”の市場が拡大している。幹細胞とは、失われた細胞を再生して補い、組織の機能を回復させる働きを持つ細胞。2014年に再生医療の法整備が整い、実用化に向け幹細胞研究が本格化。化粧品市場で話題の名称だが、「幹細胞のコスメ」ではなく、正確には、「幹細胞の培養上清液(ばいようじょうせいえき)を配合したコスメ」の意で幹細胞は入っていない。培養上清液とは、幹細胞を培養した後、その幹細胞および不純物を取り除き、上澄み部分だけを分離した液体。様々なグロスファクター(細胞増殖促進因子)やサイトカイン(生理活性物質)などを含有することから、ここ数年で培養上清液を配合した化粧品として一大市場を形成。美容クリニックやエステサロン向けを中心にさまざまな製品開発が進んでいる。
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