脱毛エステ店での契約トラブルが後を絶たない。最近では女性の脱毛だけではなく、男性のひげ脱毛でのトラブルも増加しているという。国民生活センターは23日、あらためて注意を呼びかけた。
全国の消費生活センター等には年間2800件を超える脱毛エステの相談が寄せられており、相談内容はクーリング・オフや中途解約など解約に関するトラブルが多い。中でも「通い放題」「○年間脱毛し放題」「期間・回数無制限」「永久保証」「△年施術保証」などの長期間の施術を前提とするコースで中途解約・精算をするときにトラブルが生じたという事例が目立つ。
20代の女性は、脱毛エステ店から「40万円支払えば永久に脱毛が受けられる。これ以上お金はかからない」と説明され、高額だが一生この値段で受けられるのであればと思い、個別クレジットを組み分割払いで契約。1回目の施術を受け、痛みがあることを伝えたら「これ以上出力を抑えると効果がなくなるので我慢して」と言われた。施術は3か月に1度しか受けられず、これ以上続けられないと思い解約を申し出たところ、1回の施術代8万円と違約金2万円で合計10万円の解約料を請求された。契約書をみると「期間は1年間、施術は5回までが有償、6回目以降は無償」との記載。「1回しか施術を受けていないのに解約料が高額で納得できない」と不満を示す。
その他、「施術有効期間が3年間と言われ契約したが中途解約ができる期間は1年だった」「3年間通い放題コースを契約し中途解約したら有償部分は1回のみと返金を断られた」「解約になって初めて『18回程で効果が出る施術だが返金対象は8回まで』と分かった」などの相談事例がある。
長期間にわたって施術を受けられるコースなどは契約上、「有償で施術を受けられる期間・回数」と「無償で施術を受けられる期間・回数」とに分かれている場合が多い。脱毛エステの中途解約では「すでに提供されたサービスの対価」が請求されるが、精算の対象となるのは有償の期間・回数であり、原則、無償部分には発生しない。通い放題で施術を受けられる期間全体からみると有償部分が少なく、無償部分が多くを占める契約になっている場合がある。
消費者にこれらの契約内容を十分に認識させていないため「思った以上に中途解約可能な期間が短かった」というトラブルが生じている。脱毛にかかる標準的な期間・回数の目安と契約上の期間・回数が合致していないコースを勧められ、中途解約時に初めてそのことに気づくのだ。
消費者へのアドバイスとして、「脱毛エステの長期間にわたる契約は『解約しなければならないとき』も想定して慎重に。長期間の契約が心配なときは都度払いができるコースやエステ店を選択しよう。必ず契約書面で有償の期間・回数と単価を確認しよう。『月々○千円~』は月払い(都度払い)ではなく、クレジットの分割払金かもしれません。支払いが続く期間・回数も意識しよう。少しでも不安に思った時、トラブルにあった時は最寄りの消費生活センター等に相談しよう」などの方法が示された。
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